名古屋大須商店街の小さな映画館、大須シネマです。名画・旧作・新作・アニメ・短編・自主制作映画上映。

私の孤独に牽かれて 七月の『Short Shorts』

世界中から珠玉の短編映画を集めて上映する、『Short Shorts』。
「恋」をテーマにする作品たちが、海を渡ってやってきた。

『デビットの失恋ツアー』
ローマの街で、バスツアーガイドを生業とするデビッド。どこへ行っても、思い出すのは別れた恋人。しだいにそれに耐えられなくなっていく。
恋人と訪れた忘れられない場所…。過去を悔やむなんて、人間だけがする贅沢な遊び。けれどもついついやってしまう。

『カフェでの出逢い』
この映画は、とある天文学者の妄想から始まる。いつもは宇宙の彼方まで思考を巡らせる彼。でも一人の美女が目前に現れると、500億光年先のことなんてどうでも良くなってしまう。
おひとり様の男女が隣同士で座った時のちょっと意識してしまうあの感じ。妄想を飛び出して、物語は思わぬ方向へと進んでいく。恋に奥手な彼のすべてが思春期みたいに甘酸っぱい。

『不器用な愛の見つけ方』
運命の相手を探し続ける二人の男女。巡り合わない二人の生活が、ウィットに富んだブリティッシュジョークとともに淡々と語られる。これは恋愛映画だけど、絶対に笑わない二人が何かシュールで、ロボットが恋をしているみたい。

『エアメールが運ぶ恋』
心優しい女性と一人のボクサー。やんちゃな猫がやんちゃに遊ぶ。石壁に描かれたような不思議なタッチの絵が、魔法みたいに動き出す。やっぱり猫ちゃんは、幸せを運んでくれる。ほっこり心温まるスイスのアニメーション作品。

『ロシアンルーレット』
イギリスの作品。これはどう言ってもネタバレになる。ただ、インターネットで色んな人と出会える時代ならではの映画であることは間違いない。画面の向こうのあの人は、どんな人なんだろう?もしかしたら、とんでもない人なのかもしれない。

『軌道の上の恋』
時は遠い未来、地球の引力に牽かれて軌道上を回り続ける彼ら。ほかの人間に会うことは、あまりなくなってしまった。

「万有引力とは ひき合う孤独の力である 
宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う」

谷川俊太郎先生の詩にあるように、宇宙のぜんぶは孤独によって動いている。もちろん私たちも。
宇宙のど真ん中で孤独を内包する少年は、今日も銀河を眺めている。

以上6作品が今回の『Short Shorts』。
甘酸っぱいものからほろ苦いものまで、お菓子をつまみ食いするみたいにいろんな味を楽しめる。

七月と言えば、夏、夏休み、海、キャンプ、花火、七夕…。
織姫様と彦星様の孤独が牽き合う日。
私の短冊にはこう書こう…
私の孤独に牽かれて、たくさんの人が大須シネマに来てくれますように。

文章:ときおたろうまる

ショート

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大須シネマ6月24日~7月7日までのプログラム

10:00~「キューポラのある街」
12:30~「日日是好日」
14:40~「キミとボク」
15:50~「百日紅~Miss HOKUSAI~」
17:40~「ショートショート」
     ショートショート6作品は7/21まで同じ作品

ショート2


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大須シネマ(席数42)
営業時間:9時30分開場~21時終了(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
※上映開始前は電話に出られないことがあります。
※ブログコメントにはお答えできないこともあります。
予めご了承ください。

ホームページ:http://www.osucinema.com/
Twitter:https://twitter.com/osucinema
Instagram:https://www.instagram.com/osucinema/

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知らない街へ連れてって「パリ猫ディノの夜」

「私たちの街にはなんでもある。
ビルがある。 市役所がある。
ショッピングモールがある。 駅がある。
スポーツセンターがある。
私の街にはなんでもある。
だけれども、私の居場所が見つからない。」

少し前に観たお芝居の冒頭のセリフだ。私の街にだってなんでもあった。家から三分のところにコンビニがあって、もう少し行けばスーパーがある。
大きな図書館、ショッピングモール、 映画館だってある。
だけれども、二十歳を超えた今は、それが「なんでも」だとは思えなくなった。

◇◇◇◇◇

『パリ猫ディノの夜』という映画を観た。

まず目に入るのは、ピンク、紫、緑、オレンジ、カラフルな家々が立ち並び、ファッションはもちろん、お皿の一枚一枚にも目を惹かれる。
子どもの想像力を持った素敵な神様が、街のありとあらゆるものを塗り直したかのように、色で満ちている。
カットが変わるごとに隅から隅まで見渡して、知らぬ間にパリの街を駆ける私のわくわくは止まらない。

美しい街で暮らす、夫を殺されたジャンヌとその娘ゾエ。パリ警視として犯人の捜索に躍起になるジャンヌは、いつも疲れた顔をしている。そんな母を気遣い、口のきけないゾエは微笑んでトカゲを見せる。

「あなた、お父さんがいないから構ってほしいのね。」

私たちはいったいどれほど子供の気持ちを分かってあげられているだろう。

寂しそうなゾエに寄り添う黒猫ディノ。そんな彼は夜になるといつもどこかへ行ってしまう。

「ディノはいつもどこへ行ってるんだろう。」

家を抜け出してディノの後を追うゾエ。するとそこには小さな冒険が待ち受けていた。知らない路地裏、お隣の庭先、塀の上から見た街並み、ゾエが普段見ないもう一つのパリが静かに顔を見せた。

◇◇◇◇◇

私がまだ小学生のころ、朝早く起きてしまい通学路から外れて歩いたことがあった。

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いい子だった私が校則を破るなんて。でも子どもの正義感が好奇心を上回ったなんて史実はないよね。
一歩道を逸れると、そこは別世界だった。

小ぢんまりとしたお地蔵さんや荒れた空き地を見つけては飛び跳ねて喜んだ。
私が一番に見つけたそこをワタシの領土にして、夢中で地図を描いた。

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遅刻ギリギリで学校に着き、休み時間に私の冒険譚を語った。小さなコロンブスの熱弁を、友だちは不思議そうに眺めるだけだったけれど。

◇◇◇◇◇

 ゾエが小さな冒険の末にたどり着いたのは、もう一人の飼い主の家。
そこから物語は大きく展開していく…。




この映画、要素としては暗くて重い。けれど一匹の猫がそっと寄り添うことで、物語は何とも軽やかに進んでいく。
猫はいつだって、何をするでもなく静かにそばにいてくれる。そんなきまぐれがこの物語を温かく包み込む。
フランスという全くの異文化圏で作られたアニメ作品『パリ猫ディノの夜』。

色鮮やかなパリの街並みが私たちを知らない街へと連れ出し、かわいらしい黒猫がその街の裏側まで見せてくれる。
「どこか知らない場所へ行ってみたい」という、大人と子どもの両方が持つ欲求を満たし、それでいて最後はほっこり終わらせてくれる優しい映画だ。

『パリ猫ディノの夜』は、私にフロンティア精神を思い出させてくれた。
大人になって、昨日のことに苦しんで、明日のことで悩むことが多くなった。リピートみたいな日々には、今を楽しむ小さな冒険が必要だ。

でもやっぱりパリは遠い。

なので、近場の大須シネマへ足を運ぶのがいいだろう…。

◇◇◇大須シネマスタッフ ときおたろうまる

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大須シネマ6月10日~6月23日までのプログラム

10:00~「祈り」
12:30~「ラスト・リベンジ」
14:30~「詩季織々」
16:10~「パリ猫ディノの夜」
17:40~「ショートショート」
19:00~「絶望の怪物」

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大須シネマ(席数42)
営業時間:9時30分開場~21時終了(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
※上映開始前は電話に出られないことがあります。
※ブログコメントにはお答えできないこともあります。
予めご了承ください。

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『祈り』(1967)~見えないものをどう表現したか~

本日2回目のブログアップ。
担当は、大須シネマスタッフ高木です。

『祈り』(1967)
~見えないものをどう表現したか~


『祈り』は1967年に公開されたソヴィエト連邦生まれの映画監督テンギス・アブラゼによる人の美しさ、醜さ、魂の誇りを宗教の対立を通して描いた作品である。

さて、早速ではあるがタイトルにある監督はこの作品で見えないものをどう表現したかということについて書いていきたいと思う。

まず、この映画で監督が描きたかったもの、それは人の美しさ、醜さ、誇りであると私は考える。では、この目に見えないものを監督はいかにして表現したか、彼が使ったのは「火」である。

「火」=「美しさ」に手を伸ばす白い服を着た天使、自分の手に持つ「火」=「美しさ」を消し、規律、しきたりには背いているが自身の誇りを信じ美徳を行った者の家を燃やす村人たち。そして家を燃やす「火」は「醜い」黒い煙となる。黒は闇であり闇の中には魂の穢れた悪魔がいる。火がついている時に何が起こっているか。火が消えた後に何が起きるか。

これから、『祈り』を観る方、観終わった方はもう一度、「火」に注目して観てみてください。
映っているもの聴こえる音が映画のすべてです。

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祈り190614

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大須シネマ事務局です。
「祈り」については二人のスタッフが別視点で紹介記事を書きました。

世界で一番俺が正しい!映像詩で描かれる哲学的「ヒーロー映画」 『祈り』

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大須シネマ6月10日~6月23日までのプログラム

10:00~「祈り」
12:30~「ラスト・リベンジ」
14:30~「詩季織々」
16:10~「パリ猫ディノの夜」
17:40~「ショートショート」
19:00~「絶望の怪物」

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大須シネマ(席数42)
営業時間:9時30分開場~21時終了(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
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ニコラス・終身雇用!愛国ジジイの「終活」 『ラスト・リベンジ』

梅雨入り湿度は天パの大敵。どうも、地球生まれ梅雨嫌いのスーパー天パ人、トキオ太郎丸だ。
今回はハリウッドの大スター、ニコラス・ケイジ主演のアクション映画『ラスト・リベンジ』を紹介しようと思う。

毎度のことだが、以下は全て私見なので適当に読んでほしい。

映画好きなら月一くらいで観たくなるであろう、遠距離恋愛みたいなニコラス・ケイジ。そんな彼のチャームポイントは、見てると何だか笑えてくるところだと思う。
真面目なシーンもふざけてるシーンも全部ちょっと面白い。
しかしこのニコラス…ブチギレてるぜ!!

家族も持たず、CIA捜査官としてその身をお国に捧げてきた定年前ニコラス。まだまだバリバリで働きたい彼に、もう年だからやめたら?と分からず屋上司。さらに病院へ行くと認知症と診断され、余命8年の宣告にF〇ッ ピー---!
そんな中、かつて自分をむごい拷問にかけた宿敵テロリストジジイの情報が耳に入り、上司に報告。だが認知症の彼に取り合ってはくれなかったのだ…。
俺の味方は誰もいねえ、俺はもうすぐ死ぬらしい、あのクソ野郎は生きてやがる…

もう、ブチギレるしかねえよなあ!!!!

ってなわけで、倫理観とチャーミングを記憶とともに失っていく狂気のニコラス。あいつを殺らなきゃ俺も死ねない!地獄の果てまで追い立てる!
ちょっと引くぐらいの演技に俺たちは思う。こんなニコラス見たことない!
彼の以外な一面にドキドキすること間違いなしの映画だ。

やばいよね、俺のパンドラの箱、もう開いちゃってるんだよね…。
この俺、やりすぎ・ケイジがハローした敵をバイバイしていく様を、大須シネマに観に来ちゃてよ。

この映画、観るか観ないかはあなた次第です。


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大須シネマ6月10日~6月23日までのプログラム

10:00~「祈り」
12:30~「ラスト・リベンジ」
14:30~「詩季織々」
16:10~「パリ猫ディノの夜」
17:40~「ショートショート」
19:00~「絶望の怪物」

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大須シネマ(席数42)
営業時間:9時30分開場~21時終了(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
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「絶望の怪物」の舞台挨拶レポート

2019年6月10日
『絶望の怪物』公開初日
コタニジュンヤ監督舞台挨拶レポート
今回の担当は、大須シネマスタッフ高木です。

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2019年 6月 10日 月曜日
コタニジュンヤ監督が3年の年月をかけてたった1人で制作した
『絶望の怪物』が大須シネマで公開初日をむかえ、作品上映後、
コタニジュンヤ監督による舞台挨拶が行われました。
平日にもかかわらず、満席近くのお客様が劇場に来てくださいました。
ありがとうございます。

舞台挨拶では監督の制作にかける熱い思い、制作のきっかけ、
アフレコ秘話などを話していただきました。
監督が感極まり、涙を見せる場面も。
また、監督直筆のイラスト色紙がプレゼントされるじゃんけん大会、
質疑応答などが行われました。

今 『絶望の怪物』を観ることができるのは大須シネマだけ!!



コタニジュンヤ監督、お忙しい中、舞台挨拶にお越しくださいまして
ありがとうございました!

大須シネマスタッフ一同、『絶望の怪物』が多くの方に観ていただけますよう努めてまいります。
また監督の作品を大須シネマで上映できることを願っております!

大須シネマスタッフ一同

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直筆サイン色紙を頂きました!
パンフレット販売しております!

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絶望の怪物上映スジュール
6月10日(月)〜6月23日(日)


あらすじ
ある日、中学生の星野葵(アオイ)は自分と家族が醜い宇宙人の怪物だと知る。
彼女と弟の雄太(ユウタ)はそのことを知らないまま育った。両親がずっと隠していたから。
怪物はおぞましい姿をしている。
彼らは薬を使って人間の姿に化けていた。
その薬がなぜかアオイにだけゆっくりと効かなくなっていく…
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大須シネマ6月10日~6月23日までのプログラム

10:00~「祈り」
12:30~「ラスト・リベンジ」
14:30~「詩季織々」
16:10~「パリ猫ディノの夜」
17:40~「ショートショート」
19:00~「絶望の怪物」

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大須シネマ(席数42)
営業時間:9時30分開場~21時終了(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
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