ウィルス・ゾンビ・戦争、極限時に弱い者を守れるか自分に問う映画

「コンテイジョン(2011)」
このコロナ禍に不謹慎かもしれないけれど、以前より好きな映画の一つ。
未知の感染症が世界規模で広がる中、患者の対応、ワクチン開発、怯える人々を描いた作品。
豪華キャストでありながら派手なシーンはなく淡々と刻一刻と変化する情勢に対応していく人々を中だるみすることなく見せる。
ソダーバーグ監督作品です。

このコロナ禍で再評価されているらしい?けれど、確かに初見時には”架空の物語として”秀逸だと思ったのが、まさかの現状に”未来を予見していたかのよう”と言われるのも頷ける。

私は、劇中のワクチン開発のくだりで、動物実験でサルの犠牲が増える、という会話の部分がずっと心に残っていた。
私たちの生活は多くの動物の犠牲で成り立っている。
現実、今回のコロナワクチンでも多くの動物が実験の犠牲になったのだろう。

ところで、私の中では、もう一つ、このコロナ禍と似た状況を描いている映画がある。
「ワールド・ウォー Z(2012)」

ゾンビ映画じゃないか!
だけど、ゾンビ映画は結構、細菌やウィルスが起源という設定が多いですよね。
その中でも「ワールド・ウォーZ」は解決の仕方が、ウィルスに対抗するワクチンを開発するために国連捜査官が発生源を探すことからゾンビ抜きで、興味深い設定だと思うのです。
何より、噛まれてから何秒で発症するのか、必死で逃げる中でも冷静に観察しているシーンがいい。
今起きていることを、訳が分からなくても観たものを繋ぎ合わせて考えた先に、分かるものがあるかもしれない。


戦争や災害や世界規模で病気が蔓延するとき、常に弱いものから犠牲になる。
パニック映画を観ていつも思うのが、自分が弱いものを助けられるだろうか?と。
私なんて足も遅いし、体はあまり丈夫でないし、真っ先にゾンビになってしまったり、病気になってしまいそうなタイプだ。

夜、眠って夢を見る。
大抵、私の夢には猫が出てきて、一緒に出掛けた先で離ればなれになって必死に探してキャリーバッグに入れて歩く夢。

でも、以前、災害か何かが起こって逃げる夢を見た時、私は一人さっさと逃げた。
目覚めた時、とても自分にがっかりした。
逃げなくてはならない時、周りのことなど構っていられないだろう。
一瞬で様々な判断をしなければならないだろう。
その判断のせいで、ずっと苦しむことになることもあるかもしれない。
でも、一人で逃げた夢を見た後から、何か一つでも良いから弱いもの、子供や動物を助けられることをしよう、と思っている。
幸い、私の住む地は災害が無く、逃げたり、誰かを助けたりすることは無い。
ずっとこうであって欲しい。

でも、災害が無くても、弱い立場の動物は日々苦しんでいて、それを助けようと踏ん張っている人がいる。

「犬と猫と人間と」
「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」

自分に何ができるのか。
健康・家族・仕事・金銭、等で何もできないかもしれない。
けれど、こういうことが起きているのだ、と知っていることは動物のためだけでなく、自分自身のためにもなる。
苦しい・辛い経験をしてきた方々の生の声と体験を、スクリーンを通して見させてもらうのだ。

今、ロシアが他国へ侵攻を始めた。
戦争も過去の遺物ではなく、今起きていること。
「犬と猫と人間と」の中で日本の動物愛護運動の礎を築いた前川獣医師が戦時中の飼い犬がどうなったか語る場面がある。
人間が極限状態の時、犬や猫は放置されるだけでなく利用し殺されてきた。
今後もし人間が極限状態に陥った時、私たちは過去の過ちを繰り返さない理性を保てるのか。

そういうことを「コンテイジョン」や「ワールド・ウォーZ」から考えると、私の中で「犬と猫と人間と」に繋がるのです。
だから映画は面白いし、観て、考えて、自分の行動に活かせるか常に問うのです。

「犬と猫と人間と」
「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」
2022年2月27日まで上映です。
”知識として知っている”から”あの子たちの瞳を見た”となって欲しいです。

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2月のラインナップ(クリックすると大きな画像がでます)
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【みんにゃで楽しむために!】

映画館は常時換気されています。
上映毎座席消毒しています。
ロビーの机、トイレ、ドアノブなども適宜消毒しています。

お客様には、入場前に手のアルコール消毒のご協力と
飲食時以外はマスクを着用下さい。
体調が悪い時は外出せず、元気な時にお出かけしましょう!

マスク2

接触を少なくする対策を取り、スクリーンのある部屋だけでなくロビーも受付内も常時換気です。
ご来館者さまもどうか消毒とマスク着用で安心して皆様が楽しめるようお願い申し上げます。


【大須シネマ 通常上映時】
☆上映10分前になりましたら、チケットに記載の番号順にお呼び致します。
お呼びした時点で劇場内にいらっしゃらない場合は、次の番号をお呼びすることがございます。
予めご了承ください。
☆席は自由席です。


※チケット代:1,400円(映画によって変わる場合あります)
※館内はスクリーンのある部屋、ロビー、受付全部常時換気
※上映毎座席消毒
演目・イベントによって飲食可否変更し、座席数の調整を致します。
予めご了承ください。


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大須シネマ(席数42)
営業時間:11:00~チケット販売開始

※映画により営業時間の変更あります(年中無休)
劇場:名古屋市中区大須3-27-12
電話:052-253-5815
※上映開始前は電話に出られないことがあります。
※ブログコメントにはお答えできないこともあります。
予めご了承ください。

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Author:大須シネマスタッフ
名古屋・大須商店街にある小さな映画館。
旧作映画中心に上映。自主制作アニメーション映画募集中(詳細はHP御覧ください)。貸館につきましてもHP御覧ください。
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館内全て常時換気・上映毎座席消毒他感染症対策行っています。

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